シカへの対抗手段として「ミニチュア化」していた!
屋久島は九州の南70キロの地点に位置し、世界自然遺産にも登録されている日本有数の生物多様性のホットスポットです。
そんな屋久島では以前から、葉っぱや茎の長さが5センチにも満たない小さな植物が80種以上も分布していることが知られていました。
島の外では普通の大きさの種でも、屋久島でだけ極端に小さくなっているのです。
屋久島の植物がミニチュア化する原因としては、これまで「土壌の貧栄養説」「低温説」「日照不足説」などが指摘されてきましたが、どれも確かな証拠はありません。
その中で研究チームは新たに、植物のミニチュア化をもたらした要因として、屋久島に住む草食動物の「ヤクシカ」に注目しました。
ヤクシカは屋久島とその近くにある口永良部島(くちのえらぶじま)にのみ分布する日本の固有種です。
これまでの研究で、小型化した植物はシカにとって食べにくいことがわかっています。
そこでチームは「屋久島の植物のミニチュア化はヤクシカの採食圧によって引き起こされたのではないか」と仮説を立てて、検証を開始しました。
チームは2020〜2022年にかけて、ヤクシカが好む植物30種と好まない植物10種の合計40種を選び、そのサイズを測定しました。
また各種ごとに、他の島に分布する同じ種とサイズ比較をしています。
その結果、チームの予想通り、ヤクシカが好んで食べる植物の場合、屋久島の種は他の島の種に比べて、およそ半分から10分の1程度にまでミニチュア化していることが判明したのです。
他方で、ヤクシカが好まない種では、屋久島でも他の島でもサイズに変化がありませんでした。
また植物のミニチュア化に気象条件や土壌栄養分はまったく関係していなかったことから、屋久島の植物が小さくなったのはヤクシカに食べられないための適応進化であると結論されました。
チームはこれほど大規模なミニチュア化が発生した要因として、屋久島におけるヤクシカの個体密度の高さが大いに関係していると指摘します。
屋久島にはヤクシカの天敵となる動物がいないため、歴史的に彼らはのびのびと繁殖を続けてきました。
2008年の調査によると、屋久島の高原域には1平方キロあたり14〜39頭のヤクシカが生息しているとされ、これは本州のシカに比べて10倍以上の高密度となっています。
結果、ヤクシカに食べられやすい植物たちが淘汰され、ヤクシカに食べられにくい小型化した植物たちが生き残るというミニチュア化の進化が起きたのでしょう。
「苛政は虎よりも猛なり」と言うが、ある種の植物たちにとっては鹿が恐ろしい存在なんでしょうね。sizeやshape
をへんげするほどに。
私は生け花の師範を持っていますが、巨大化した植物が目に止まります。ポインセチア、マザーリーフ、クワズイモ、ヒメモンステラなど本土では考えられない大きさです。鹿が食べる植物だけ?ですかね。何もかもが巨大でびっくりします。変だなぁと思って読みました。シダなんか巨木です。バナナにマンゴー、カラスザンショウは遥か頭上。何もかもがバカデカイ。うーん、納得できません。