中世スペインの「カラトラバ騎士団」の墓地で見つかった頭蓋骨
舞台はスペイン中部、タグス川沿いに立つソリタ・デ・ロス・カネス城です。
この城は13〜15世紀にかけて、軍事修道会「カラトラバ騎士団」の拠点として使われていました。
これはスペインで初めて設立された戦闘騎士団とされています。(※ 認可を教皇庁から受けたのは2番目)
2014〜2019年の発掘調査では、城内の墓地から多数の人骨が見つかりました。
ほとんどが成人男性で、刺し傷や打撲傷などの外傷が多く、戦闘で傷ついた戦士たちの墓地と考えられています。
そのなかで研究者たちの目を釘付けにしたのが、「T4.2」と番号を振られた一体の遺骨でした。
調べると、この人物は男性で死亡時年齢は45〜49歳と推定されました。
上腕骨や大腿骨の筋付着部が非常に発達しており、とくに大腿骨では「馬に乗る人」に典型的な筋肉の痕が確認されています。
騎士団に属する戦士、あるいは騎乗する兵士だった可能性が高い個体です。
しかしそれ以上に衝撃的だったのが、頭蓋骨の形でした。
最大長は230ミリ、最大幅は122ミリで、頭蓋の長さと幅の比率を示す「頭蓋指数」は53%。
スペイン人の平均がおよそ75%前後であることを考えると、異常なまでに長く、細い頭です。
研究チームはこの形を「超長頭(ultradolichocephaly)」と分類しています。

詳しく観察すると、複数の頭蓋縫合が、通常よりも早い時期に癒合していたことがわかりました。
頭蓋骨は、本来は成長に合わせて少しずつ縫合部が閉じていきますが、これが幼少期に早く閉じてしまうと、脳の成長に合わせて頭の形が歪に引き伸ばされます。
この状態は「頭蓋骨縫合早期癒合症(craniosynostosis)」と呼ばれ、世界全体でおよそ2500人に1人の割合で発生するとされています。
近代医学では、脳への圧力を下げるための手術が行われることもありますが、中世にはもちろんそのような治療はありませんでした。
にもかかわらず、この男性は40代後半まで生きていたことになります。
チームは、遺伝性の頭蓋骨縫合早期癒合症の一つであるクルーゾン症候群との類似性に注目しています。
クルーゾン症候群は、複数の縫合が早期に癒合し、顔面が前後方向に長く見えるなどの変形を起こす病気で、多くの場合、認知機能は保たれます。
今回の個体も四肢に大きな奇形は見られず、頭蓋と顎の形だけが異常に変形していました。


























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