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近親相姦の証拠が見つかった発掘現場/ Credit: MHAAM – Bronze Age DNA from Calabria reveals a distinct mountain community(2025)
history archeology

3700年前の「父娘の近親相姦」の証拠を発見

2025.12.19 12:00:46 Friday

イタリア南部で発見された3700年前の人骨から、考古学史上でもあまり例のない発見がありました。

それは父と娘の間に子どもが生まれていたという、近親相姦を示す明確なDNA証拠でした。

父娘間の近親相姦の考古学証拠としては最古とのことです。

研究の詳細は独マックス・プランク=ハーバード古代地中海研究センター(MHAAM)により、2025年12月15日付で科学雑誌『Communications Biology』に掲載されています。

Bronze Age DNA from Calabria reveals a distinct mountain community https://www.mpg.de/25882013/bronze-age-dna-from-calabria-reveals-a-distinct-mountain-community Oldest known evidence of father-daughter incest found in 3,700-year-old bones in Italy https://www.livescience.com/archaeology/oldest-known-evidence-of-father-daughter-incest-found-in-3-700-year-old-bones-in-italy
Archaeogenetics reconstructs demography and extreme parental consanguinity in a Bronze Age community from Southern Italy https://doi.org/10.1038/s42003-025-09194-2

父と実の娘との間の子供の遺骨か

この発見の舞台は、イタリア南部カラブリア州にある洞窟遺跡「グロッタ・デッラ・モナカ」です。

この洞窟は、紀元前1780年から1380年ごろ、青銅器時代の人々によって集団墓地として使われていました。

研究チームは、この洞窟に埋葬されていた23人分の人骨から古代DNAを解析し、集団の出自や家族関係を調査。

当初の目的は、山岳地帯に暮らしていた人々の遺伝的背景を知ることでしたが、分析の途中で、研究者たちは「異常な数値」に気づきます。

それが、ある少年の遺骨のDNAに見られた「ホモ接合性連続領域(ROH)」の多さです。

これは、同じ遺伝情報が長く連続して並ぶ部分で、両親が血縁関係に近いほど増えることが知られています。

多くの人は、数世代前に遠い親戚関係があった程度のROHを示していました。

しかし、この少年だけは、これまで古代DNA研究で報告された中でも突出して多いROH値を持っていたのです。

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