アキレス腱を10分振動させるだけで出力が上がった──運動のライフハック
アキレス腱を10分振動させるだけで出力が上がった──運動のライフハック / Credit:Canva
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アキレス腱を10分振動させるだけで出力が上がった──運動のライフハック

2026.01.09 19:30:53 Friday

カナダのモントリオール大学(UdeM)で行われた研究によって、アキレス腱を10分間ブルブルするという簡単な刺激が大きな効果を持つことが示されました。

研究では足首のアキレス腱と、ひざのお皿の下の腱(けん)を10分間ブルブル振動させたあと、固定式の自転車をこいでもらいました。

すると本人の「キツさスコア」はほぼ同じなのに「中くらいのしんどさ帯」ではこぎ出す力が平均で約2割上がり、「かなりキツい強さ」では連続時に約8%ほど落ちていたパワー低下がほとんど起きませんでした。

つまり感じているしんどさは同じなのに、パフォーマンスが明確に上昇していたのです。

この結果はごく簡単な振動が人間の「しんどさメーター」をハックできる可能性を示唆しています。

しかし、いったいなぜ腱をブルブルするだけでここまで大きな差が出たのでしょうか?

研究内容の詳細は『Journal of Sport and Health Science』にて発表されました。

Prolonged passive vibration of Achilles and patellar tendons decreases effort perception during subsequent cycling tasks https://doi.org/10.1016/j.jshs.2025.101061

しんどさメーターはどこで決まるのか

しんどさメーターはどこで決まるのか
しんどさメーターはどこで決まるのか / Credit:Canva

同じスピードで一緒に走っているのに、自分だけゼエゼエしていて、隣の友だちはケロッとしている。

体育の時間や部活動で、そんな経験をした人は多いと思います。

マラソン大会のテレビ中継を見ても、ある選手はまだ余裕の表情なのに、別の選手は苦しそうに顔をゆがめています。

心拍数や筋力も違うのでしょうが、「どれくらいしんどいと感じるか」は、人によってかなり違います。

研究者たちは、この「努力感」が、運動をやめるか続けるかを決める大きなスイッチだと考えてきました。

同じ運動量でも「もう無理」と感じてしまう人はそこでやめてしまい、「まだいける」と感じる人はもう少し先まで行けます。

努力感は、単に筋肉や心肺の状態だけではありません。

従来のモデルでは、この「の命令のコピー」が主役だとされてきましたが、近年の研究は、筋肉から脳に戻ってくる情報も努力感に効いていそうだと示唆しています。

そこで今回、研究者たちは「腱振動で筋紡錘からの信号を変えてやると、「しんどさメーター」と実際の出力の関係がズレるのではないか?」と考えました。

もし筋肉に操作を行うことで脳に向かう「しんどさメーター」の感度をズラせるならば、同じしんどさでも、より強い力を出せる可能性があるからです。

しかし本当にそのような「しんどさメーターのハッキング」ができるのでしょうか?

次ページ10分のブルブルで出力とパワー維持力が上昇

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