宇宙に凍った線香花火──Pa30という奇妙な残骸

夜空の花火を見ていると、その一瞬だけ軌跡が残り、すぐに煙に変わって消えていきます。
もしあの光の筋が、空一面に広がるほど巨大なスケールで、そのまま千年も凍りついたように残っていたらどうでしょうか。
Pa30は、まさにそんな「宇宙版の花火写真」のような天体です。
多くの超新星残骸は、あちこちがモコモコと膨らんだ雲のような形をしていますが、Pa30では中心から伸びる細い筋が目立ち、真ん中には不自然なほど何もない空洞が広がっています。
従来、超新星残骸の形は多くの場合、多くは「爆発で飛び出したガスの分布がそのまま固まったもの」として理解されてきました。
実際、それは多くの残骸でうまくいく説明でした。
しかしPa30のように、ほとんど一直線に近い細い筋がたくさん並び、その筋が850年たっても折れずに残っている姿は、この単純なイメージではなかなか説明できません。
ふつうなら、ガス同士がぶつかり合い、境目に渦が生まれ、時間とともに混ざり合って、きれいな筋はすぐにちぎれてしまうはずだと考えられるからです。
コラム:なぜ「失敗した超新星爆発」と言われるのか?
「失敗した超新星爆発」という言葉を聞くと、ちょっとドキッとしますが、星が「しくじった」という意味ではありません。ここでの「失敗」とは、教科書的な“完全な超新星爆発”の想定から見ると、中途半端な状態で終わってしまったという、専門家側の視点を表したニックネームです。典型的なIa型超新星では、白色矮星(太陽くらいの星の燃えかす)が限界近くまで重くなり、星全体で核反応が一気に暴走して「星そのものが粉々になる」と考えられています。
つまり、爆発のあとに白色矮星本体は残らず、ガスとして宇宙空間にばらまかれる、というのが「成功した」超新星爆発のイメージです。ところが最近見つかってきた「Iax型」と呼ばれるグループでは、どうも様子が違います。爆発の明るさが弱く、飛び散ったガスの量も少なく、そのうえ中心に白色矮星らしき“生き残り”が残っていると考えられる例が出てきました。星全体が吹き飛ばされるどころか、「かなり傷ついたけれど、芯の部分は生き残ってしまった」という状態なのです。
このため研究者たちは、理論モデルの中で「完全な爆轟(さいごまで燃え切る爆発)に到達せず、途中でしぼんでしまった超新星」として扱い、「failed supernova(失敗した超新星)」というラベルを使うようになりました。つまり、「超新星爆発としては最後までやり切らず、星を完全には壊せなかったタイプ」という意味合いです。
面白いのは、その“失敗”が新しい天体現象を生むきっかけになっていることです。Pa30のように、生き残った白色矮星がその後も速い風を吹き出し、周囲のガスに筋を刻んでいくケースでは、普通の超新星残骸では見られない「宇宙の花火」のような姿が残ります。「失敗した超新星爆発」とは、単なる評価ではなく、そうした不完全な爆発から生まれる多様な“その後”を示す、便利なあだ名のようなものと言えるでしょう。
そこで研究者たちは、爆発の瞬間ではなく「その後に吹いた風」と「風がぶつかる相手」の条件に注目し、「どんな条件なら筋が千年ほどけずに残るのか」を流体の不安定性(ガスの境目が乱れる性質)という観点から調べることにしました。
もしその条件が見つかれば、Pa30の花火だけでなく、他の奇妙な残骸の形も説明できるかもしれません。
本当に、宇宙にそんな「花火保存のレシピ」が存在するのでしょうか。
























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