頭の働きのテストと脳の画像でも、同じ傾向が見えた

研究チームはまず、行動の裏にある頭の働きを調べました。
使ったのは「実行機能」のテストを受けた3676人のデータです。
実行機能とは、毎日の生活をこなしたり、目標を達成したりするのに必要な頭の働きのことです。
その中には、短い間だけ情報を頭に置いて使う「ワーキングメモリ」や、急に湧いた「やりたい」を止める「抑制」の力が含まれます。
調べると、言語性IQも動作性IQも、高い子ほどワーキングメモリの成績がよいという関係がありました。
情報を頭に置いておけると、やるべきことに集中しやすくなります。
IQが高い子ほど不注意が少ないという結果と、話が合うわけです。
一方、動作性IQと衝動性の関係は、年齢によって形を変えていました。
年下の子どもでは、動作性IQが高いほど衝動性は低めでした。
ところが12歳以上になると、関係は「U字」の形になりました。
U字とは、動作性IQがいちばん低い子と、いちばん高い子の両方で、衝動性が高くなっていたという意味です。
そして「抑制」の力のテストでも、動作性IQとの関係はまっすぐではなく、行動で見られたU字とよく似た形になっていました。
研究チームはここから、行動に出た症状の裏に、情報の処理のしかたの違いがある可能性を読み取っています。
さらに262人の子どもについては、MRIという検査で脳の形を画像にして調べました。
注目したのは脳の「表面積」(脳の表面に広がるしわを広げたときの広さ)で、特に、これまで注意や多動との関係が指摘されてきた場所です。
すると、言語性IQが高い子ほど、「吻側前帯状皮質(ふんそくぜんたいじょうひしつ)」と呼ばれる場所の表面積が大きくなっていました。
ここは、感情を整えたり、心の中のぶつかり合いを解決したり、衝動をコントロールしたりすることにかかわる場所です。
また動作性IQは、脳全体の表面積とのあいだに、まっすぐではない関係を示しました。
研究チームは、行動、頭の働きのテスト、脳の画像という3つの結果が、同じ方向を指していると見ています。
そのうえで、不注意と衝動性には、それぞれ別の頭の仕組みがかかわっている可能性があると考えています。
ただしMRIを撮った子どもは全体の一部で、この結果も原因を示すものではありません。




























