男性と女性で違う? 年の差恋愛の満足度を探る
年齢差のあるカップルに関する研究はこれまでにも数多く行われてきました。
たとえば過去の研究では、「男性は自分より年下の女性に魅力を感じやすい」という進化心理学的な傾向が報告されています。
進化心理学的には、男性はより多くの子孫を残す可能性があるパートナーを無意識に好む傾向があるとされており、年下の女性は出産可能性(生殖適齢期)や健康状態の観点から「より魅力的」に映ると考えられるのです。
しかし、近年は年上女性と年下男性のカップル(いわゆる“クーガー”関係)というのも増えているといいます。こうした関係は進化心理学的な考えでは説明できず、またこうした関係がもたらす恩恵についても、はっきりした結論は出ていません。
好みは人それぞれですが、年齢差がある場合、世代による価値観の相違や、体力や性機能などカップルにおいて重要な要素に両者で差が生じる可能性は高くなります。

そこで今回の研究では、年齢差があるカップルにおける「性機能」「性的自己効力感」「関係満足度」「主観的幸福感」の4つの側面を調査しました。
性的自己効力感(sexual self-efficacy)とは、自分が性的に相手を満足させられるという自信や感覚を指します。
研究チームは、年齢差が約7年以上ある男女126人(すべて異性愛者)を対象に、詳細な質問票に回答してもらい、そのデータをもとに統計分析を行いました。
その際、「男性が年上で女性が年下のカップル」と「女性が年上で男性が年下のカップル」に分けて、それぞれの心理的・性的傾向を比較しました。
また、性機能については、男性は射精困難(ejaculatory difficulty)、女性は潤滑や痛み(discomfort)などを中心に評価されました。
すると興味深いことに、男性の場合は、年上の女性と付き合った場合と、年下の女性と付き合った場合で、明確な傾向の違いが見られたのです。