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日本人の生活関連QOLが低下している / Credit:Canva
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日本の働き盛り世代で“元気さ”が低下し続けている

2026.05.08 17:00:45 Friday

日本人の“元気さ”が、静かに下がり続けているかもしれません。

広島大学の研究チームは、日本全国を対象にした大規模調査を分析しました。

その結果、日本人の健康関連QOL(生活の質)が、2017年から2024年まで一貫して低下していたことを発見しました。

特に低下が目立ったのは、社会を支える就労世代です。

しかも悪化していたのは、単なる病気の有無ではなく、「痛み」「不快感」「不安」「ふさぎ込み」といった、日常の感覚に近い部分でした。

研究成果は2026年4月9日付で国際学術誌『Scientific Reports』に掲載されました。

【研究成果】日本人の健康関連QOLが7年間で一貫して低下 ―特に就労世代で顕著―<2017・2020・2024年度の全国大規模調査で判明> https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/97336
Longitudinal changes in health related quality of life in Japan based on nationwide surveys and Bayesian regional estimates https://doi.org/10.1038/s41598-026-45692-x

日本人の就労世代で健康関連QOLが低下している

今回研究チームが調べたのは、「健康関連QOL(HRQoL)」と呼ばれる指標です。

これは単なる寿命や病気の有無ではありません。

普通に歩けるか、日常生活を支障なく送れるか、身体に痛みや不快感がないか、不安や落ち込みを感じていないかなど、「どれだけ健康に日常生活を送れているか」を総合的に見るものです。

研究では、世界的に広く使われている「EQ-5D-3L」という国際指標が用いられました。

これは「移動」「身の回りの動作」「普段の活動」「痛み/不快感」「不安/ふさぎ込み」の5項目について自己評価する方式です。

そして研究チームは、2017年度、2020年度、2024年度に実施された全国調査を分析。

対象は20〜85歳の日本人成人です。

調査では、地域や人口構成の偏りをできるだけ抑え、2017年度に1万人超、2020年度に約8800人、2024年度に約4400人の有効回答を用いました。

さらに研究では、都道府県別の分析も実施しています。

その中では「経験的ベイズ法」という統計手法により、小さな標本サイズによる不安定さを補正。都道府県ごとの変化をより安定して比較できるようにしています。

そして分析の結果、全国平均の健康関連QOLは、2017年度の0.9133から、2020年度には0.8977、2024年度には0.8834へと、7年間で一貫して低下していました。

年代別に見ると、特に就労世代での健康関連QOLの低下が顕著でした。

男性では40〜69歳、女性では30〜59歳で統計的に有意な低下が確認されています。

では、なぜこのような結果になるのでしょうか。より詳細な結果と共に見ていきましょう。

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