悪天候による頭痛の原因は「副鼻腔」と「脳の血流」
エリソン教授は、悪天候によって頭痛が生じる主な要因を2つ挙げています。
1つ目は、副鼻腔(ふくびくう)です。
副鼻腔とは鼻の穴の周りにある4つの空洞のことであり、通常空気で満たされています。
そのため気圧が変化すると、副鼻腔圧のバランスが崩れ、炎症や痛みを引き起こすのです。
ちなみにどの空洞が影響を受けるかによって、痛みの場所や種類(額の痛み、目の奥の痛み、頭の前後に広がるような頭痛など)が異なります。
そして起きやすい症状は頭の構造によって異なるため、個人差があります。
2つ目の要因は、脳の血流です。
血液は神経細胞に対して高い毒性をもっています。そのため脳には血液を分離させる仕組みが備わっています。
実際、脳と毛細血管の境目には血液脳関門(けつえきのうかもん)と呼ばれる障壁があります。
血液脳関門があるおかげで、脳感染症を引き起こす毒素や病原体を通さずに、重要な栄養素だけを吸収できるのです。
同様に、脳には血液汚染から身を守る別のセンサーも備わっています。
血管が広がりすぎると活性化する受容体があり、「痛みを与える」ことで私たちに血管の異常事態を報告。
つまり気圧の変化で血管が膨張すると、脳を守る警告システムが働き、頭痛になるのです。