今月見るべき!な天文現象Best3
Best3.23日(火)水星と土星が並ぶ。木星も見えるかも
日没後に見えていた土星と木星ですが、明け方に見えるターンがやってきました。
AstroArtsの情報によると、2月下旬に水星と土星と木星の3惑星の共演が見られます。
とはいえ、高度が非常に低く、あらかじめ東南東の方角がひらけている観測ポイントを探しておくことが必須です。
チャンスは数日ありますが、特に木星の高度は極めて低いため、水星と土星が横並びする2月23日(火)を狙ってみるのはいかがでしょう。
さらに条件は厳しくなりますが、上の観測が狙えそうなところにお住まいの方なら、ぜひ観測したい天文現象があります。
2月11日(木)の日の出直前に、木星と金星が非常に接近し、双眼鏡や望遠鏡で同一視野に観測が可能です。
しかも、土星と水星と合わせて、4惑星の同時観測が狙えます。
ただし、このときの水星の高度は10°ほどなので、木星や金星はもっと低いです。
惑星の高度が上がるのを待つのに夢中になって、昇ってきた太陽を直視しないように、くれぐれもご注意ください。
【3位にした理由】
Good!:かなりの見応えが期待できる。休日と祝日は早朝でも観測時間がとりやすそう。
Bad!:高度が低いため、ひらけた場所を探すのが難しい。また、双眼鏡を用意するのがベター。
Best2.18日(木)、19日(金)、月と火星の共演
定番の月と惑星の共演です。
地球から遠ざかっていっている火星の明るさは0.8等級まで暗くなり、ぱっと空を見上げると、もうシリウスの方が目立ちます。
おおいぬ座のシリウスは−1.46等級で、地球から見たときに太陽を除き、全天でもっとも明るい星です。
ほかの星々に馴染んできてしまっている火星ですが、まだ見つけやすい明るさかつ、高い位置に見えます。
昨年秋の最接近のときに比べてどれくらい暗くなったのかを、気にしながら探してみてください。
【2位にした理由】
Good!:時刻や見つけやすさなど、観測がしやすい。
Bad!:これだけを見ての感動は薄いと思われる。でも、火星の明るさの変化に着目するなら見る価値あり。
Best1.2月下旬〜火星とプレアデス星団の接近
「すばる」の名で親しまれているプレアデス星団は、おうし座の近くにあって肉眼でも見つけやすい星団です。双眼鏡や低倍率の望遠鏡でも、小さな星が集まってきらめいているのを楽しめます。
そんなプレアデス星団に2月下旬から3月上旬にかけて火星が接近するので、要チェックですよ。
「Planet(惑星)」の語源は、ギリシャ語の「πλανητεσ」(プラネテス=さまよう者の意味)から。恒星のように規則的な動きをせず、あっちこっちにぷらぷらしているように見えたためと言われます。
火星がプレアデス星団に最接近するのは3月6日(土)ですが、月の位置から探しやすい2月19日頃から火星が「さまよう」様子を楽しんでみてはいかがでしょう?
【1位にした理由】
Good!:星の知名度が高く、観測しやすい。
Bad!:来月がメインの話。ただ、双眼鏡で観測した方がベターなものの、ある程度離れている方が肉眼では観測しやすいと思う。
Challange!
今の時期は、おおいぬ座のシリウスについで2番目に明るい星、りゅうこつ座のカノープスが夜更け前に南中するため、見頃となります。南中時刻にシリウスから下にたどって探すことができますよ。
とはいえ、もっとも高度の上がる南中時刻でも地平線ギリギリ。
カノープスが日本で見える北限は、福島県の北端あたりとなります。もしも見られたら、感動はひとしおですね。
なお、国立天文台のサイトに主要都市でのカノープスの南中高度と南中時刻が載っています。南に行くほど高度が高くて観測しやすくなるので、九州や沖縄にお住まいの方はぜひ挑戦してみましょう。
都心でも、高いビルの上やひらけた場所に行く際は、見えるかもしれないので気にしてみてください。
以上、今月の星の見どころベスト3【2021年2月】でした。