悪天候が近づいたときにできること
では、悪天候による頭痛にはどのように対処できますか?
エリソン教授は、「気圧調整された部屋に閉じこもる以外には、鎮痛薬や充血除去薬で痛みを和らげるしかありません」と述べています。
しかし、何か1つの要因で頭痛が起こることは少なく、大抵の場合は気圧の変化以外に複数の要因が隠れています。
例えば、姿勢の悪さやストレスが頭痛の原因になることもあります。
長時間にわたって収縮している筋肉は、酸素やその他の栄養素を供給するためにより多くの血流を必要とし、炎症の原因となります。
またストレスによって体内のアドレナリンやコルチゾールのレベルが増大すると、炎症が起きて血管が広がり、頭痛が生じます。
ですから頭痛を予防するには、正しい姿勢を保ち、ストレスを軽減させることが大切です。
加えて、悪天候が迫っていると分かったなら、チューイングガムを噛むように強く噛む動作を行うと良いでしょう。
口、鼻、耳を介して副鼻腔の圧力を均一にでき、頭痛防止につながります。
さらにセロトニンやドパミンといった自然の鎮痛剤を増加させることも重要です。
これら神経化学物質は脳に届く痛み信号を遮断し、頭痛を和らげてくれるのです。
そのためエリソン教授は、次のようにアドバイスしています。
「友人とおしゃべりしたり、音楽を聴いたり、好きなことをして神経伝達物質を補給しておけば、気圧差による頭痛の影響を軽減できます」
「天気が悪いときには、愛する人と一緒に映画を見たり、チョコレート(体内でセロトニンに変わる化学物質が含まれる)を食べたりするのも良いかもしれません」
頭痛に悩まされている人は多いです。科学的な根拠を把握していれば、無理をせず適切な対処ができるでしょう。