木にも「筋肉のような仕組み」があり、形を調整していた
木にも「筋肉のような仕組み」があり、形を調整していた / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
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木にも「筋肉のような仕組み」があり、形を調整していた

2026.09.09 13:00:57 Wednesday

斜面に生えた木が、根元は傾いているのに幹の途中から空へ向かって立ち直っているのを見かけることがあります。

植物が光や重力の向きを感じて姿勢を整えることは知られていましたが、自分の曲がりを感じ取って能動的にまっすぐに戻す仕組みについては、直接の決定的な実験証拠が足りませんでした。

今回の研究には前置きがあります。同じ研究機関がおよそ15年前に、植物が自分の形を整える仕組みを持つことを見つけていたのです。当時は動物だけの性質と思われていました。

フランスの国立農業・食料・環境研究所などの研究チームは、その仕組みの中身を、ポプラの若木の実験で突き止めました。若いポプラは曲がった幹の外側に「引張あて材」という特別な木部を作り、自分で曲がりを戻していたのです。

木は自分の曲がり具合を感じ取り、曲がりに応じて材を作ります。海外メディアはこれを、木の筋肉になぞらえました。

単なるばねの戻りではないと言える理由は、重力と光の感知を止めた装置の中で若木がどう動き、どこに材を作ったかにあります。

研究内容の詳細は2026年9月2日に『New Phytologist』にて発表されました

Newly identified 'muscles' shape trees in way once thought uniquely animal https://newatlas.com/environment/newly-identified-muscle-trees/
Proprioception drives tension wood formation for autotropic straightening and postural control in trees https://doi.org/10.1111/nph.71238

重力と光の感知を止めた「球」の中で、木は立ち直った

重力と光の感知を止めた「球」の中で、木は立ち直った
重力と光の感知を止めた「球」の中で、木は立ち直った / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

難しいのは、幹が元へ戻る動きに、曲げたばねが戻るような受動的な戻りも混ざりうることです。動きだけを見ていては、能動的に戻しているのかどうかを見分けにくい問題でした。

そこで研究チームは、光と重力の方向の感知を必要なときに止められる新しい装置を設計しました。

装置は、あらゆる方向から光を当てた球の中に水平な回転台を置いたものです。若いポプラをまず横に寝かせて幹が光へ向かって上に曲がるまで待ち、その曲がった木をこの回転台に載せて、重力の手がかりを消しました。

若木は、回転台の上で成長しながら少しずつ垂直に近づきました。横向きに置かれた姿勢に逆らう動きです。

その幹には、片側だけに引張あて材ができていました。この材の押し引きが、幹の伸びる向きを変えていたのです。

次ページ「曲がりの感覚」と「重力の感覚」の釣り合いで材ができる

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