「曲がりの感覚」と「重力の感覚」の釣り合いで材ができる

引張あて材はやがて反対側へ切り替わり、二つの側が動物の拮抗する筋肉のように働いて幹を整えていました。
木が曲がりをどれほど敏感に感じ取っているかも、この実験から見積もられました。曲がりの度合いと反応の関係を数値で解析した結果です。
引張あて材の形成をめぐる教科書的な理解を、今回の結果は改めるものだと研究チームは述べています。材は、重力の感覚と自分の曲がりの感覚の釣り合いで作られていました。
研究チームはこれを、木の木質部で働く本物の「感覚と運動の回路」だと述べています。木材の品質にも関わる話で、引張あて材の切り替えがうまく連携しないと、内部に過剰な張力が残ることがあるそうです。
自分の形を整える仕組みが、植物の知られた手立てに加わりました。光を浴びる工夫、塩分ややせた土への対処、病原体への備えといった手立てです。
今回実験で調べたのは、ポプラの交雑種の若木です。
曲がった幹を戻す働きは、光や重力への反応だけで動いているのではなく、木が自分の曲がりを感じ取ることで駆動されていました。木は動かないもの、というイメージが少し揺らぎます。



























