メキシコの伝統農法「ミルパ」の秘密
メキシコや中央アメリカの一部の農家は、何千もの間、「ミルパ(Milpa)」と呼ばれる伝統農法を行ってきました。
これは、トウモロコシ、マメ(インゲン豆)、カボチャの3つを同じ畑で栽培することであり、そうすることで収穫量が増えると考えられてきました。
この農法で収穫量が上がるメカニズムが全て解明されたわけではありませんが、これまでの研究により、様々なメリットが明らかになっています。
例えば、トウモロコシの生育には窒素を多く必要としますが、連作すると土壌の窒素が少なくなり収穫量が落ちます。
しかし、近くにマメを植えると、マメが空気中の窒素分子を変換し、土壌に窒素を固定するため、トウモロコシの需要を満たしてくれます。
またカボチャのつると葉が地面を覆うことで、光を遮って雑草の成長をいくらか抑制したり、厚くて広い葉によって土壌を湿らすための水分を保持しやすくなったりします。
さらにマメは、背の高いトウモロコシの茎を登って、太陽を浴びる機会を得ています。
このように、既に判明している要素だけでも、伝統農法「ミルパ」が効果的であることが分かります。
そして今回、グロフティザ氏らの新しい研究では、この3種の相互関係のうち、トウモロコシとマメにおける新たなメリットを発見することができました。