ペニスが生まれつき複数ある症状とは?
症例が確認された遺体は、医学研究のために自らの体を提供することを生前に了承していた78歳の匿名男性のものです。
この男性は普通の健康的な生活を送っていたようで、自らの男性器の先天的な異常には気づいていなかった可能性があります。
バーミンガム大の医学研究者らの報告でも、男性の遺体には外見上の異常は見られませんでした。
ところがいざ解剖をしてみると、普通の男性ではあり得ない「3本のペニス」が見つかったのです。
ペニスが余分に形成されてしまう先天異常は「ディファリア(Diphallia:陰茎重複症)」として知られています。
この症例は通常、ペニスが生まれつき2つ形成される症状を指します。
研究チームは1606年から2023年までの科学文献を調査した結果、ディファリアを報告した症例研究を全部で112件見つけることができました。
その中で「ペニスが3本あった」という例はわずかに一例のみです。
2020年にイラクの医学研究チームが、生後3カ月の男児に生まれつき3つのペニスがあることを報告していました(International Journal of Surgery Case Reports, 2020)。
男児には、通常のペニスと肛門の間の領域である「会陰(えいん)」に長さ2センチの小さな亀頭が付いていたという。
さらに陰嚢(いんのう)の真下にも長さ約1センチほどの亀頭が見られました。
ボカシなしの画像はこちらからご覧いただけます。
この前例のない症例から報告したチームは、ペニスが3本ある先天異常のことを「トリファリア(Triphallia)」と呼んでいます。
幸いにも、男児の余分な2つのペニスは外科手術により無事に除去することに成功しています。
これが過去に唯一確認されているトリファリアの例でしたが、78歳の男性の症例はこの男児とはまた違った状態にありました。