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最古級の植物画に見られる「数学的思考」の証拠 / Credit:Yosef Garfinkel(HUJI)et al., Journal of World Prehistory(2025), CC BY 4.0
history archeology

世界最古級の植物画を発見、8000年前の「数学的思考」の証拠だった

2026.02.12 20:00:31 Thursday

人間の数学的思考はいつから存在していたのでしょうか。

数を記録する文字が生まれた後でしょうか。

それとも、もっと前から私たちは「分ける」「揃える」「数える」という感覚を持っていたのでしょうか。

イスラエルのエルサレム・ヘブライ大学(HUJI)の研究チームは、その問いに新たな視点を与えました。

約8000年前の北メソポタミアの土器に描かれた植物模様が、実は空間を分割する能力、すなわち初期の「数学的思考」を示している可能性があるというのです。

本研究は2025年12月5日付で『Journal of World Prehistory』に掲載されました。

World’s Oldest Botanical Art Just Revealed The World’s Earliest Mathematical Thinking https://www.iflscience.com/worlds-oldest-botanical-art-just-revealed-the-worlds-earliest-mathematical-thinking-82513 World’s earliest botanical art discovered and evidence of prehistoric mathematical thinking https://www.eurekalert.org/news-releases/1109316
The Earliest Vegetal Motifs in Prehistoric Art: Painted Halafian Pottery of Mesopotamia and Prehistoric Mathematical Thinking https://doi.org/10.1007/s10963-025-09200-9

8000年前の植物画を分析

先史時代の芸術といえば、洞窟壁画に描かれた動物や人間像を思い浮かべる人が多いでしょう。

実際、旧石器時代から新石器時代にかけての芸術表現は、主に動物や人物が中心でした。

ところが、紀元前6200〜紀元前5500年頃に北メソポタミアで栄えたハラフ文化の彩文土器には、花や枝、低木、樹木といった植物モチーフが体系的に描かれていたのです。

研究チームは、ハラフ文化に属する29遺跡の発掘報告を横断的に精査しました。

全体としては数万点規模の彩文土器の資料があり、そのうち統計的に数えられた5148点の装飾土器の中から、植物が描かれた786点を抽出して分析しています。(※画像はこちら

これまで幾何学模様として扱われてきた文様の中に、植物として解釈できる図像が多数含まれていることに着目したのです。

その結果、植物モチーフは大きく4種類に分類されました。

花が375例、枝が291例、低木が90例、樹木が30例です。

注目すべき点は、これらが特定の一遺跡に限られた現象ではなく、ハラフ文化のほとんどの遺跡で確認される広がりを持っていたことです。

つまり植物は、偶然の装飾ではなく、意識的に選ばれた主題だったと考えられます。

さらにこの「最古級の植物画」からは、「数学的」な意味を読み取ることができます。次項で確認してみましょう。

次ページ花弁の数に潜む「数学的な思考」

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