余分な2本のペニスは中に隠れていた
先の男児の例では3つのペニスが外部に露出した状態でしたが、今回の男性の遺体では正規のペニス以外の2本は陰嚢の中に隠されている状態でした。
ペニスが複数形成されるディファリアは約500万〜600万人に一人の割合で起こるとされていますが、その大部分は余分なペニスが外部に露出しています。
この男性のように陰嚢を含む皮膚の下に隠れているケースは、研究者が調べた中でも6件しかありませんでした。
男性は生前に、排尿や勃起機能、生殖能力に特に異常を報告していなかったと見られることから、本人も自らのペニスが3つあることには気づいていなかったようです。
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ところが解剖の結果、陰嚢の中に隠された余分なペニスは通常と同じ「海綿体組織」が確認できました。
海綿体組織は血液の流入で膨らむため、男性は勃起時に何らかの違和感や痛みを感じていたかもしれません。
さらに驚くことに、余分なペニスのうちの一つは正規のペニスと同じ尿道を共有していたのです(下図を参照)。
これは男性が排尿をするときに、第二のペニスを経由してから正規のペニスへと尿が排出されていったことを示します。
図の黄色のラインが尿道を示しており、赤色の枠で示された部分(10番)が第二のペニスです。
第三のペニスは緑色で示された部分(6番)になります。
男性のペニスが3本になったのは、性器を形成する遺伝子に異常があったことが原因と指摘されています。
男性器は通常、妊娠4〜7週の間に発達が始まり、この初期段階において男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン」によって生殖結節(男性器の発達中に存在する組織)の発生が促され、そこから陰茎が生じます。
この男性ではおそらく、遺伝子異常が原因で生殖結節が3つに分裂し、余分な2つのペニスが陰嚢の中に形成されたと研究者らは説明しています。
研究チームは今回の結果を受けて、男性のように生前に症状がなく、亡くなるまでペニスの異常に気づかないケースがあるのであれば、ディファリア(陰茎重複症)は予想以上に多くの男性のうちに隠れて存在している可能性があると話しました。
「自分は絶対に一つしかない」と思っていても、実は陰嚢の中に別のペニスが隠れているかもしれません。
もし昔からずっと、排尿時や勃起時に違和感や痛みを感じているのであれば、ディファリアあるいはトリファリアの可能性もゼロではないので、医師の診察を受けることをおすすめします。
排尿時や勃起時に違和感や痛みを感じているのであれば、(略)医師の診察を受けることをおすすめします。と言われても、「先生、排尿時に痛みがあるんです、もしかしてペニスが2本あるんでしょうか?」だなんて口が裂けても聞けない気がする
この男性には子供はいないのだろうか
なんと奇遇な!