「一人でいる子」は本当に孤独なのか?
この研究を理解するうえで、まず区別しておきたいことがあります。
研究者たちが調べたのは、単純に「友達が何人いるか」でも、「人付き合いが嫌いか」でもありません。
研究の前提にあるのは、子どもが仲間との交流から離れて一人で過ごすようになる理由は一つではない、という考え方です。
友達と関わりたいのにうまく輪に入れない子もいれば、周囲との関係には大きな問題がなくても、一人で遊ぶほうを好む子もいます。
そこで研究チームは、後者のような「一人で過ごすことを好み、仲間との交流は控えがちな傾向」に注目しました。
論文ではこれを「unsociability(非社交性)」と呼んでいます。
この傾向については、本人の自己申告だけでなく、同じ学校生活を送っているクラスメイトからの評価も使われました。
つまり、「自分は一人が好きだと思っている」という本人の認識だけではなく、周囲の子どもから見ても一人で行動しがちな傾向があるかを確認しています。
その上で、一人で過ごしがちな本人に、その状態をどう感じているか尋ねました。
ここで論文が測ったのが、dyadic dissatisfaction(1対1の友人関係が満たされていない感覚)と、network dissatisfaction(仲間集団とのつながりが満たされていない感覚)の2つです。
これらの感覚が満たされていないと、「親しい友達がいない」「クラスに居場所がない」などの孤独を感じている状態と評価できます。
そして研究者たちは、ここでもう一つの要素を追加で調査しました。
それが、「自分がクラスの仲間の一員であることを、どれほど大切だと考えているか」です。
研究者たちの仮説は、一人で過ごしがちな傾向と孤独な感覚との関係が、この「所属を大切だと思う気持ち」によって変わるのではないか、というものでした。































