「うさぎの島」でイノシシが生きたウサギを食べていた
「うさぎの島」でイノシシが生きたウサギを食べていた / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
animals plants

「うさぎの島」でイノシシが生きたウサギを食べていた

2026.09.29 09:25:00 Tuesday

動物園のふれあいコーナーでウサギにニンジンを差し出すと、小さな口でもぐもぐ食べる姿につい頬がゆるみます。

広島県の大久野島は、数百匹のアナウサギがすむことから「うさぎの島」と呼ばれ、観光地としてにぎわっています。

島のウサギたちは、観光客が与えるエサによって数が保たれているといいます。

ところがこの島には、ウサギのほかに、もともとこの土地にすむ野生のイノシシも暮らしています。

福島大学の兼子伸吾教授らの研究チームは、このイノシシが島で見せている行動と、その背景にある要因を調べました。

観光客のエサやりは、ウサギ以外の動物のふるまいにまで関わっているのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年7月28日に『Journal of Ecotourism』にて発表されました。

「うさぎの島」でイノシシが生きたウサギを捕食 観光客のエサやりが生態系に与える影響を示唆 (大学ジャーナルオンライン) https://univ-journal.jp/1002025/
Wild boar predation on feral rabbits in a tourist-fed island population: ecological and management implications from Okunoshima Island, Japan https://doi.org/10.1080/14724049.2026.2705843

「うさぎの島」はエサやりで支えられている

「うさぎの島」はエサやりで支えられている
「うさぎの島」はエサやりで支えられている / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

大久野島のウサギは、アナウサギと呼ばれるヨーロッパ原産の外来種(もともとその土地にいなかった生き物)です。

研究チームによると、島でのエサやりは量が多く、十分に管理されていないといいます。

その結果、島には植物がまかなえる量を超えるほどのウサギがすみついています。

ウサギの口が届く高さ(ラビットライン)までは、木の枝や葉が失われてしまっているのです。

さらに観光客が少ない時には島のエサが足りなくなり、ウサギが毒のある植物をかじった跡も見つかっています。

つまりこの島では、人が与えるエサが、ウサギの数や島の緑のようすまで左右しているわけです。

人が動物にエサをあげると、動物のふるまいや数、ほかの生き物との関係が変わることがあります。

しかし観光地でのエサやりが、エサの対象ではない別の動物にどう響くのかは、まだ十分に調べられていませんでした。

そこで気になるのが、同じ島で暮らすイノシシです。

これまで、イノシシがウサギを食べることがあっても、それは主に死んだウサギを食べているのだと考えられてきました。

以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(死体と交尾するイノシシを発見ーー白骨化するまで「腐敗」を見届ける)

ところが大久野島のイノシシは、その考えに当てはまらない行動を見せていたのです。

次ページ大久野島のイノシシが見せた「ある行動」とは

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

動物のニュースanimals plants news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!