集中すると「見えているのに見えない」

集中しているときに、はっきり見えるはずのものに気づかない現象は「非注意性盲目」(注意がほかに向いているせいで、見えているものを見落とすこと)と呼ばれます。
たとえば、動画の中でボールのパスを数えている人は、画面を横切る見慣れない人影を見逃すことがあります。
これは、視力が悪いからとも、頭が悪いからとも限りません。
注意には限りがあり、脳はいま取り組んでいる作業に関わる情報を優先するためです。
それでも、いつも見落としにくい人がいるのかどうかは、これまでにも調べられてきました。
候補に挙がったのは、知能やワーキングメモリ(短い間、情報を頭にとどめて操作する力)、そして開放性や没入傾向(感覚や想像の体験に深く入り込みやすい傾向)といった性格の特徴です。
実際、自分から物を探したり注目したりする課題なら、こうした測定で成績を予測できます。
ところが、予想外のものに気づくかどうかになると、話が違いました。
シモンズ氏らが以前、これまでの研究をまとめて分析したところ、個人差で気づきを予測できるという証拠は比較的少なかったのです。
多くの研究は参加者が少なく、結果もばらばらでした。
そこでシモンズ氏らは今回、この種の個人差を調べた研究としては、これまでで最も大きな2つの実験を行いました。
では、知能や性格とは別に、「よく気づく人」というのはそもそもいるのでしょうか?


























