それでも「よく気づく人」はいるのか?

実験は、複数の国の参加者を対象に、オンラインで行われました。
参加者は、見落としを調べる3つの課題に取り組みました。
1つ目は、線の長さを判断している間に、予想外の図形が一瞬だけ現れる課題です。
2つ目は、図形の動きを数えている間に、予想外の物体が画面を横切る課題です。
3つ目は、記号の中から目当ての数字を探している間に、別の物体が現れる課題です。
そのうえで、知能の実験の参加者には、視覚的な推論(目で見た情報をもとに考える力)とワーキングメモリのテストを受けてもらいました。
性格の実験では、ビッグファイブと呼ばれる5つの性格特性(外向性、協調性、誠実性、神経症傾向、開放性)、没入傾向、注意に関わる症状(ADHD〈注意欠如・多動症〉に関わるもの)、完璧主義に関わる特徴を測りました。
予想外のものに気づいた人の割合は、課題によって39%から66%まででした。
では、ある課題で気づいた人は、別の課題でも気づいたのでしょうか?
答えは「ほんの少しだけ」です。
ある課題で気づいた人は、別の課題でもわずかに気づきやすい傾向がありました。
しかしそのつながりは弱いものでした。気づきやすさに小さな個人の傾向はあるのかもしれませんが、「いつもよく気づく人」という強く安定した特徴があるとまでは言えませんでした。
知能に関わる測定も、一部の条件でだけ気づきと結びついていました。
たとえば、推論やワーキングメモリの一部のテストで点数が高い人は、やさしい条件でわずかに気づきやすくなっていました。
ところが、ある条件で「気づきやすい」と予測した測定が、別の条件では逆に「気づきにくい」と予測することもありました。
知能との関係は小さく、一貫していなかったのです。
性格では、さらに証拠が乏しくなりました。
どの性格の測定も、気づきを一貫して予測することはありませんでした。
知能の測定をすべて合わせても、性格の測定をすべて合わせても、気づくかどうかについての参加者どうしの違いは、ごくわずかしか説明できませんでした。


























