植物が立つのは「細胞壁」のおかげ
まず植物が立つ理由を考えてみると、「根っこ」という答えが浮かびます。
確かに、根っこは地上の茎を支える働きをしていますが、あくまで小さな理由にすぎません。
植物の茎は根っこを切っても、土にさせばちゃんと立つからです。
そうではなく、植物が立つのは「細胞壁」のおかげ。
植物のからだは、ヒトや動物と同じく、たくさんの細胞でできています。
しかし、決定的に違うのは、ヒトや動物の細胞が「細胞膜」という薄い膜で囲まれているのに対し、植物は「細胞壁」という厚くて堅い壁に囲まれている点です。
細胞壁は、細胞内にある核や葉緑体、ミトコンドリアなどを保護する役目を持ちますが、からだを支えるという重要な働きをします。
つまり、植物は、堅い細胞壁を持つ細胞をつみ重ねて育つために、骨がなくてもまっすぐ立っていられるのです。
ちなみに、植物の細胞壁を取り除くと、細胞は丸いボール状になってしまい、この状態を「プロトプラスト」と呼びます。