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Credit: Hajime Sato / Sato et al., Ecosphere(2026)/ CC BY 4.0
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漂流するボトルに閉じ込められ「2カ月を生き延びたカニ」を発見

2026.07.05 21:00:55 Sunday

海に浮かんでいた一本のプラスチックボトル。

その中をのぞくと、そこにはボトルの口よりも大きなカニが閉じ込められていました。

しかも、そのカニは死んでいたのではありません。

海上を漂いながら、約2カ月ものあいだ生き延びていたと考えられるのです。

では、このカニはどうやって自分の体より小さな入り口のボトルに入ったのでしょうか。

そして、何を食べて生き延びていたのでしょうか。

広島大学の研究チームは、沖縄沖で発見されたこの奇妙な事例を詳しく調べました。

研究の詳細は2026年4月3日付で学術誌『Ecosphere』に掲載されています。

Swimming crab trapped in plastic bottle survived two months on the ocean https://www.hiroshima-u.ac.jp/en/news/98552
Swimming crab in a bottle: A two-month drift on the ocean surface while entrapped https://doi.org/10.1002/ecs2.70609

ボトルの口より大きなカニは、どうやって中に入ったのか

発見のきっかけは、沖縄県・瀬底島の沖合で行われていた稚魚の調査でした。

研究者たちは、島から約500メートル離れた海上で、稚魚が集まっている漂流プラスチックボトルを発見。

海に浮かぶゴミや流木の周りには、小さな魚が隠れ場所を求めて集まることがあります。

このボトルも、そうした小さな魚たちの一時的なすみかになっていたのでしょう。

ところが、ボトルを回収してみると、中には生きた大型のワタリガニの仲間が閉じ込められていました。

種は、ジャノメガザミ(学名:Portunus sanguinolentus)です。

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漂流していたボトルと中にいたカニ/ Credit: Hajime Sato / Sato et al., Ecosphere(2026)/ CC BY 4.0

回収されたボトルは、高密度ポリエチレン製の紹興酒ボトルで、口の直径は24ミリでした。

一方で、中にいたカニは甲長40.31ミリ、甲幅88.23ミリ、重さ42.06グラムでした。

つまり、現在の体の大きさでは、どう考えてもボトルの口を通ることはできません。

ここから研究者たちは、カニが大きくなってからボトルに入ったのではなく、まだ小さな幼体の段階で入り、その後、ボトルの中で成長したと考えました。

ボトルは完全に密閉されていたわけではなく、口が開いていたため、海水は自由に出入りできました。

そのため、酸素の供給が完全に断たれることはなかったと考えられます。

しかし、外に出られないという点では、ボトルは立派な罠でした。

入ったときには安全な隠れ場所だったとしても、成長したカニにとっては、脱出できない小さな牢屋になってしまったのです。

次ページ胃のDNAとエボシガイが語る「2カ月の漂流生活」

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