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琥珀から発見された1億年前のホタル近縁種とそのイメージ / Credit:Yan-Da Li(NIGPAS)et al., Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences(2026). CC BY 4.0
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”前例のない触角”をもつ「1億年前」のホタル近縁種、琥珀から発見

2026.08.19 11:30:26 Wednesday

昆虫の触角は、周囲の匂いやフェロモンを感知する重要なセンサーです。

しかし約1億年前には、現在知られている甲虫には見られない構造の「アンテナ」を持つ昆虫が生きていました。

中国科学院の南京地質古生物研究所(NIGPAS)などの研究チームが琥珀から発見したホタルの近縁種には、1つの触角節から形の異なる4本の枝が伸びていたのです。

彼らによると、このような触角構造は現生種にも化石種にも前例がありません。

この研究成果は、2026年7月29日付で『Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences』に掲載されました。

Amber fossil reveals firefly relative with unprecedented antennae https://phys.org/news/2026-08-amber-fossil-reveals-firefly-unprecedented.html
A firefly relative that smelled and glowed: evidence for complex signalling systems in Cretaceous lampyroids https://doi.org/10.1098/rspb.2026.0295

1億年前の琥珀から見つかった「4本枝」の奇妙な触角

今回研究されたのは、ミャンマー北部カチン州の琥珀に閉じ込められていた雄の甲です。

この琥珀は白亜紀中頃のもので、昆虫が生きていたのは今からおよそ1億年前とみられています。

研究チームは、この甲虫を新属新種と判断し、Icaroramus perisiと命名しました。

標本の体長は約11.2ミリです。

体の特徴を詳しく調べたところ、ホタルなどを含む甲虫のグループに属し、その中でも現在は絶滅しているCretophengodidaeという科に暫定的に分類されました。

ただし研究チームは、系統関係にはまだ不確実な部分があり、この分類については慎重に考える必要があるとしています。

そして、この昆虫を特別な存在にしているのが頭部から伸びた触角です。

Icaroramusの触角は全部で12の節からできており、第4節から第11節では、それぞれの節から4本もの枝が伸びていました。

しかも、単に同じ形の枝が4本並んでいるわけではありません。

節の根元から伸びる1対は長く、先端がやや広がっており、比較的粗いに覆われています。

一方、節の中ほどから伸びるもう1対は短く細いうえ、より細かな毛を備えていました。

一般に、枝分かれした触角を持つ甲虫でも、1つの節から伸びる枝は1本、あるいは1対です。

ところがIcaroramusでは、形の異なる2対の枝が同じ節から伸びています。

研究者らはこの構造を「quadriheteroramose(1つの節から4本の異なる形態の枝が伸びる構造を意味する表現)」と呼んでおり、同じ構造は現生種と化石種を含め、これまで知られている甲虫では確認されていません。

では、この昆虫はこの異様に複雑な触角を何に使っていたのでしょうか。

次ページ複雑な触角で「メスの匂い」を探していた可能性

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