画像
Credit: Adelaide Zoo / Klingner et al., 2026, CC BY 4.0
animals plants

動物園のカワウソは人が来ると「テンションが上がる」と判明

2026.08.18 12:00:24 Tuesday

動物園でカワウソを眺めていると、水中をすいすい泳いだり、仲間とじゃれ合ったりする姿につい見入ってしまいます。

しかし、私たちがガラス越しに彼らを観察しているとき、カワウソの側もまた「人間の存在」に反応しているのかもしれません。

オーストラリアの動物園で行われた最新研究から、周囲に来園者がいるときほど、カワウソが活発に動き、人目につく場所にいる傾向があることが判明しました。

もちろん、カワウソが本当に「人が来た!」と喜び、テンションを上げていると確認されたわけではありません。

それでも少なくとも今回の研究では、来園者の存在がストレスとなって隠れてしまうという単純な図式とは異なる結果が得られたのです。

研究の詳細は、豪アデレード大学(Adelaide University)により、2026年6月22日付で学術誌『Journal of Zoological and Botanical Gardens』に掲載されました。

Who’s watching who? Otters may find humans entertaining https://adelaide.edu.au/about/news/2026/who-s-watching-who--otters-may-find-humans-entertaining/
You Otter Not Talk: A Preliminary Study of Asian Small-Clawed Otter Vocalizations and Activity in the Presence of Visitors and Staff https://doi.org/10.3390/jzbg7020024

人がいるとカワウソはストレスを感じる?

動物園の動物にとって、大勢の来園者はどのような存在なのでしょうか。

人間側からすると、毎日知らない人に見つめられる環境はストレスになりそうにも思えます。

実際、動物園の研究では、来園者の存在によって動物の行動が変化する「来園者効果」が長く研究されてきました。

そこで研究チームは、アデレード動物園で暮らすコツメカワウソ6頭を約6カ月間観察しました。

研究者たちは、1回約1時間の観察を繰り返し、最終的に146セッションを解析。

その間、60秒ごとにカワウソが泳ぐ、歩く、登る、物を操作する、休むといった行動を記録し、同時に来園者や動物園スタッフが周囲にいたか、鳴き声を発したかどうかも調べました。

画像
野生のコツメカワウソ/ Credit: ja.wikipedia

ここで注意したいのは、研究における「人が多い」という条件です。

これは単純に「観客が何十人いた」という意味ではありません。

研究では、1時間の観察中、少なくとも1人の人間が確認された観察時点が半分以上あるセッションを「More People」、それより少ないものを「Less People」として比較しています。

(たとえば、1時間に60回チェックしたとすると、「60回中40回で人がいた → More People」「60回中20回で人がいた → Less People」という感じ)

つまり調べたのは、観客の人数が増えるほど反応が強くなるかではなく、主に「人が周囲にいる時間が長いとき」と「そうでないとき」の違いだったのです。

次ページ人がいると活動性が約2倍に

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

動物のニュースanimals plants news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!