恋人がいれば幸せ?それとも…?
私たちは日常生活の中で、「恋人がいると人生が充実する」と考えがちです。
確かに、恋愛によって引き起こされる感情はあらゆる感情の中でも非常に強いものであり、ロマンティックな喜びをもたらして、心を満たすことがよくあります。
しかし一方で、その感情の強さゆえに、恋愛には不安やストレスがつきものです。
パートナーとの関係に悩み、ケンカをしたり、期待が満たされずに落ち込んだり、他に好きな人がいるのではないかと嫉妬し、思い悩むことも多々あるでしょう。

他方で、友情はどうでしょうか?
友達と過ごす時間は楽しく気楽なものであり、恋愛と違って「独占欲」や「浮気の心配」といった負担が少ない特徴があります。
また友達は恋人のように一人ではなく(浮気している場合を除いてですが)、複数人いる場合がほとんどです。
そのうちの一人が忙しくて会えなくても、他の友達と遊んだり、会話することができます。
これまでの研究では、友情は人の幸福感を高める要素であり、うつ症状のリスクを下げる可能性があることが示唆されていました。
しかし「友情と恋愛がメンタルヘルスに及ぼす影響を長期的に比較する研究」は、これまでほとんど行われていませんでした。
そこで研究チームは、友情と恋愛が心の健康にそれぞれどのような影響を与えるのか、22年間にわたる追跡調査を行ったのです。