人間の口説き方はなぜ「遠回し」なのか

動物の世界では、オスが自分の質の高さをそのまま見せつけて、メスの気を引くのがふつうです。
メスは、いちばん強い合図を出すオスを選ぶことで、よい相手を見分けられます。
ところが人間の口説き方は、さりげなく、あいまいで、こっそりしたものになりがちです。
米ペンシルベニア大学の心理学者アンドリュー・ガーシック氏とロバート・カーツバン氏は、その理由を口説くことに伴う社会的なリスクに求めました。
露骨に迫ると、周りから悪く言われたり、断られて恥をかいたり、評判を落としたりするおそれがあるからです。
この考えでは、場の空気に合わせてリスクを抑えながら口説ける人ほど、相手によい印象を持たれます。
そうした口説き方が、柔軟にふるまう力や人づきあいのうまさを持っている証しになり、どちらも相手に求められる長所だからです。
つまり人間の口説き方は、細かな計算の上に成り立つ作戦なのです。
そこで役立つのが「性的戦略理論」という考え方です。
これは、男性か女性か、そして一夜限りの関係か長く続く関係かによって、相手を得るのに効く作戦は変わるはずだとする理論です。
米国の研究者T・ジョエル・ウェイド氏とジェニファー・スレンプ氏は、男女がどう口説くのか、どのやり方が効くと受け止められるのかを4つの調査で調べました。
さらにノルウェーの研究者レイフ・エドワード・オッテセン・ケンネア氏らも、ノルウェーの415人と米国の577人の異性愛者に、40種類の口説き方について尋ねています。



















