最大全長15m!史上最大級のヘビの化石を発見
今回の化石はインド西部グジャラート州の「ナレディ層(Naredi formation)」と呼ばれる場所で発見されました。
ナレディ層は始新世(約5600万〜3390万年前)の初期にあたる地層を保存しており、かつては汽水湖(淡水と海水が混ざった水域)かラグーン(砂州などで外海から隔てられた水深の浅い水域)であり、周囲は木々の生い茂る密林になっていたと考えられています。
研究チームが回収できたのは約4700万年前の古代ヘビの椎骨27個でした。
最も大きな椎骨では長さ62.7ミリ、幅111.4ミリに達し、そのうちのいくつかは関節がしっかり連結した状態にあることから、この個体が十分な大人に成熟していたことが示されました。
チームは化石の大きさや形、特徴を評価し、既知のヘビ種と比較することで、この個体が「マッツォイア科(Madtsoiidae)」という絶滅グループに属する新種であることを特定しました。
マッツォイア科はまだ恐竜がいた白亜紀に誕生しましたが、約1億年ほど存在した後、ほとんどの種が始新世の間に絶滅しています。
そして驚くべきはこの個体の規格外のサイズでした。
チームが椎骨から全体像を復元した結果、最低でも全長10.9メートルあり、最大だと全長15.2メートルにまで達したと推定されたのです。
今日、現存する世界最長の種は「アミメニシキヘビ」と「オオアナコンダ」であり、ギネス記録として公式に認定されている世界最長の個体は、アメリカのアミメニシキヘビ「メデューサ」の約7.67メートルです。
(※ メデューサは2016年に亡くなっています)
またギネス記録には認定されていませんが、過去にはメデューサより大きなヘビの目撃例も報告されていました。
しかし、それでも現生するヘビが到達できる最大全長は約8〜10メートルが限界とされています。
一方で過去の地球をふりかえってみると、約5800万〜6000万年前に存在した「ティタノボア(Titanoboa)」と呼ばれる巨大ヘビがいました。
ティタノボア(=巨大なボアの意)は現時点で史上最大のヘビとして記録されており、全長は約12〜15メートルに達したと推定されています。
つまり、新たに見つかった古代ヘビはティタノボアに匹敵する史上最大級のヘビとなるのです。
チームは古代ヘビの学名について、発見場所のインドと、ヒンドゥー教の神シヴァの首に巻き付いているヘビの名前にちなんで、「ヴァスキ・インディカス (Vasuki indicus) 」と命名しました。
では、ヴァスキ・インディカスはどうしてここまでデカくなることができたのでしょうか?