初めての発掘で金を掘り当てた学生

お宝を発見したのは、英ニューカッスル大学(NCL)の考古学学士課程に在籍するヤラ・ソウザ(Yara Souza)さん。
ソウザさんは米フロリダ州オーランド出身で現在はイギリスに留学中、今回が人生初の発掘調査でした。
発掘の舞台となったのは、ノーサンバーランド州レディースデールの遺跡。
ここは2021年に、金属探知機愛好家のアラン・グレイ氏が偶然、持ち手の頭が球状になっている金製の「ヘッドボールピン」を発見したことで注目された場所です。
その後、さらなる調査のために大学と博物館の合同チームが組まれ、2025年7月に発掘が行われました。
ヤラさんは、前年度に体調不良のため、当時参加予定だった別の発掘(バードズウォルドのローマ要塞跡調査)を断念していました。
「去年は参加できなかった分、今年は楽しみにしていました。でも、まさか90分でこんな発見があるなんて」と振り返ります。
発見された金製品は長さ約4センチ、片端に装飾的な突起があり、手のひらに収まるほど小ぶり。
形やデザインは2021年に見つかったヘッドボールピンとほぼ同じですが、今回の方がやや大きめです。
専門家によると、このヘッドボールピンは紀元800〜1000年頃、初期中世に作られたものとみられます。
金は当時、王侯や宗教的指導者などごく限られた高位の人々のみが使用を許された素材であり、装飾や儀式の道具として特別な意味を持っていました。