プレゼンティーズムは誰もが経験している
プレゼンティーズムは慢性的でなくとも、ほとんどの人が一度ならず経験したことがあるはずです。
例えば、やる気が出ない、集中力が続かず注意散漫になる、鼻づまりで頭がボーッとする、熱っぽい、二日酔いで体がだるいといった自覚症状から仕事のパフォーマンスが下がるケースは、すべてプレゼンティーズムに当てはまります。
プレゼンティーズムは従業員の生産性の低下により、会社全体の経済的損失の増大にもつながるため、適切に対処すべき問題です。
また専門家によると、これは頻繁に無断欠勤を繰り返す状態「アブセンティーズム(absenteeism)」よりも大きな経済的損失を生み出しているといいます。
そこでプレゼンティーズムを予防・改善する方法がぜひとも必要になるわけですが、従来の調査ではプレゼンティーズムの客観的な評価が難しく原因が明確にならないため、効果的な改善法もいまだに確立されていません。
従来の調査は、質問票を用いて数週間または数カ月おきにプレゼンティーズムの自覚症状を「思い出してもらう」という主観的な方法に頼っていました。
これでは、思い出しのバイアスにより客観性が低下したり、評価期間がざっくりとし過ぎているため、プレゼンティーズムの発生や悪化に関係する心身状態の要因がなかなか特定できません。
そこで研究チームはスマホアプリや身体活動計を用いた新たなプレゼンティーズムの調査方法を導入しました。