弱さに徹して生き延びる
カゲロウは弱く儚い生き物です。
しかし弱さに徹して、生物としてオキテ破りともいうべき、食と眠りの放棄を行い、全てを生殖に費やした結果、じつに3億5000万年という永きにわたる繁栄を勝ち取れたのです。
カゲロウの捨ててはならないものを捨てる生きざまは、三葉虫や恐竜とは異なり、ペルム紀と白亜紀に起きた大絶滅を生き延びることを可能にしました。
弱きに徹して強くなる。
爪も牙も毛皮も力もなかった人類が繁栄している現実からも、この奇妙な戦略はもしかしたら、とんでもない可能性の起爆剤になっているのかもしれませんね。
タイトルを一部修正して再送しております。
カゲロウの成虫が口がないことは、小学生の頃に図鑑で読んだのをなんとなく覚えていたので、もう少し詳しく知りたいと思い読みました。
成虫後にも脱皮すること、現存する昆虫で最古に飛行したこと、口かない理由として襲われやすい食事中や睡眠中を無くして繁殖に特化していることなど、わかりやすく楽しく読めました。
涙しかない…
こども・若者時代を散々満喫して(といっても野生下の話なので常に厳しい暮らしだとは思いますが)、
最後の最後、さあてワシもそろそろあの世へ行くときじゃ
最後の一仕事じゃ!!
といった感じで天寿をまっとうするんだな〜と感心しました
今日、カゲロウさんがバッグについていました。手の平に乗せて観察すると、動かなくなって…「死んだ?」と思ったら、いつのまにか脱皮してました。その後、両前脚を天に掲げて…なんだかお祈りしてるみたい…。あっという間に飛んでいきました。カゲロウさん、無事に使命果たせたかな。…私も、一生懸命生きようと思いました。
3億年も前から生きてる生物の大先輩。
先に滅んで同情されるのは人間の方か。
弱さうえの強さを垣間見ました。しかし性欲のため、口と睡眠を捨て去るなどは、有史以来から生き残った秘訣ですかね。
吉野弘の散文詩「I was born」でカゲロウのことを知りました。父親が、口のないカゲロウの成虫には卵がたくさんあり、産卵してすぐに死ぬ、ということを話して聞かせた、あと、吉野弘は母が自分を産んですぐ死んだのだと知った、と書いています。生と死が対となっていることに想いを馳せたいと思います。