カフェインに殺虫効果はあるのか?
私たちにとってカフェインは、眠気を覚ましたり、集中力を高めたりする馴染み深い成分です。
しかし昆虫にとってはまったく違う影響を及ぼします。
過去の研究では、ミツバチが少量のカフェインを摂取すると記憶力が向上し、採餌行動が活発になりました。
その一方で、昆虫によっては同じカフェインが寿命を縮めるという報告もあります。
例えば、ショウジョウバエにカフェインを与えた研究では、高濃度のカフェインが寿命を短縮することが示されていました。
このようにカフェインが昆虫に与える影響は種によって異なるため、害虫駆除(例えば、コーヒーの抽出液の散布など)に利用できる可能性があるのではないかと考えられていたのです。
そこで岡山大学の研究チームは、ハエの一種であるヒロズキンバエ(学名:Lucilia sericata)にカフェインを与え、その影響を詳細に調べることにしました。