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Credit: canva
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コーヒー飲んだら虫は死ぬ?「カフェインに殺虫効果がある」と判明 (2/2)

2025.02.12 07:00:19 Wednesday

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どのくらいのカフェインが致死量となるのか?

研究チームは、ヒロズキンバエの成虫にカフェインを混ぜた砂糖水を与え、寿命や行動の変化を測定しました。

カフェインの濃度は5種類(2%、1%、0.5%、0.05%、0.01%)を設定し、コントロール群(カフェインなし)と比較しました。

その結果、

  • 0.5%以上のカフェインを摂取した個体は、7日以内にすべて死亡
  • 0.05%以下の濃度では、寿命への影響はほとんど見られなかった
  • カフェインを摂取した個体は活動量が減少し、体内の脂肪量も低下していた

特に0.5%以上のカフェインでは、ハエのエネルギー代謝が大きく変化し、寿命が極端に短くなることが明らかになりました。

このことは、カフェインが単なる神経刺激物質としてではなく、ある種の昆虫にとっては毒性を持つ可能性があることを示唆しています。

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濃度を変えたカフェインを飲ませたヒロズキンバエの寿命(左図)。右下の写真は実験に用いた飼育ケージ/ Credit: 岡山大学 – カフェインの殺虫効果を実証~飲んだ昆虫は死ぬ~(2025)

この研究結果は、カフェインが害虫駆除の新しい手段として活用できる可能性を示唆しています。

現在の害虫駆除では、化学農薬が主流ですが、それらは環境負荷が高く、人体にも影響を及ぼすリスクがあります。

一方、カフェインは自然由来の成分であり、適切な濃度で使用すれば、安全性が高い可能性があります。

例えば、カフェインを含んだ誘引剤を使い、特定の害虫だけを駆除する方法が考えられます。

しかし今回の研究は室内実験であり、実際の農業環境でどれほど効果があるのかはまだ不明です。

またカフェインがハエ以外の昆虫や生態系に与える影響も慎重に調査する必要があります。

今回の研究により、カフェインが特定の昆虫に対して強い毒性を持つことが明らかになりました。

カフェインが眠気覚ましとして私たちに恩恵をもたらす一方で、昆虫にとっては死を招く可能性があるのです。

将来的には、カフェインを活用した害虫駆除が実現するかもしれません。

次にコーヒーを飲むとき、あなたのカップの中のカフェインが、昆虫にはどのような影響を与えるのか、ちょっと考えてみるのも面白いかもしれませんね。

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コーヒー飲んだら虫は死ぬ?「カフェインに殺虫効果がある」と判明 (2/2)のコメント

ゲスト

クモが酔っぱらうとは聞いたことがあるが、あれってもしかして単純にダメージを受けてたのかな?

ゲスト

鉢の土に珈琲粉撒いたら、コバエ来なくなるかな。試してみよう😄

ゲスト

人間も中毒になって頭痛起こしたり手足震わせる禁断症状出すようなものですからね。
有機リンの中毒やっててそういう成分に対する感度が常人のレベル超えてる私としてはあちこちにカフェインまかれるのは割と困るかなという気もしますがね。

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