アリはどうやって傷口の手当てをするの?
自然界で生き残る上で、傷口の処置は欠かせません。
もし傷口から細菌が侵入してしまうと、感染症を起こして死にいたるリスクが高まるからです。
特にアリは近くにいる別のグループとしょっちゅう喧嘩するので、ケガをしやすい状態にあります。
我々人間も同様ですが、感染症は社会性の高い生物にとって致命的な問題です。
では、アリたちは感染症を防ぐためにどんな傷口の手当てをするのでしょうか。
2023年の研究では、アフリカ大陸に分布する「マタベレアリ(学名:Megaponera analis)」が、体内にある特殊な腺から抗菌化合物を分泌して、仲間を治療できることが判明しました。
つまり、自分たちで消毒液を作り出して、感染症を予防することが可能なのです。
しかし、こうした抗菌薬を分泌する腺はすべてのアリに備わっているわけではありません。
では、そうした腺を持たないアリたちはどうするのでしょう?
そこで研究チームは「フロリダオオアリ(学名:Camponotus floridanus)」を対象に調査を開始しました。