床を鏡にした途端、「墜落」が始まる
今回のミツバチの飛行実験は、屋外に設置された長さ220cmの長方形のトンネルを使って行われました。
ただこのトンネルには、ちょっと特殊な仕掛けが施されています。
天井と床が鏡張りになっており、表面を覆って普通の壁にも変えることができるように作られているのです。
ゴール地点には報酬として甘いお菓子がおかれています。
研究チームはこのトンネルを使って「鏡あり・なし」のそれぞれの条件で、ミツバチがゴールへたどり着けるかを実験しました。
まず、天井・床の鏡が覆われていると、ミツバチは一定の高度を保ちながら、楽々とゴール地点まで到達しています。
天井だけを鏡にした場合、トンネルの高さは2倍に見えますが、この条件でもミツバチは特に影響を受けずゴールまで到達できました。
ところが、床だけを鏡にし、下方向への距離が2倍になった途端、ミツバチの墜落事故が起き始めたのです。
こちらが、その時の実験映像です。
最初は普通に飛んでいたミツバチが、40センチを過ぎたところで急激に高度を下げ、鏡に激突。
その後も、安定した飛行姿勢を取り戻せず、磁力に引っ張られるように床にぶつかり続けました。
また、天井と床の両方を鏡にして、上下方向に無限の高さをつくると、ミツバチはわずか8センチ飛んだだけで墜落しています。
さらに、天井・床の前半部のみを覆ったところ、後半の鏡ゾーンに入った途端、墜落が発生し始めました。