いずれ月は地球からいなくなってしまうのか?
月が毎年地球から離れているという話を聞いたとき、ならいずれ月は地球からいなくなってしまうのか、と不安に思った人もいるでしょう。
しかし、実際はそのようなことは起こりません。
前項で解説した通り、月が離れていくのは、地球に引っ張られて月の角運動量が増加していることが原因です。
そして、それが起きるのは、地球の自転が月の公転より速いためです。
けれど、地球の自転もまた、月に引っ張られて減速し続けています。
つまり、いずれ地球の自転と月の公転は同じ速度で一致して回るようになるのです。
そうなれば、もう月が地球から遠ざかる原因は失われます。月はかなり地球から離れるかもしれませんが、地球からいなくなることはないのです。
そして、このとき地球上では大きな変化が起こります。
そう、潮の満ち引きがなくなってしまうのです。
潮の満ち引きは、月の公転速度と地球の自転速度が異なるために起こっています。
しかし、月の公転と地球の自転が一致してしまうと、地球の海は決まった形で固定されるため、もう満ち引きが起こらないのです。
では、それはいつになるのでしょうか? 計算すると、それは約500億年後です。
500億年後には、地球の海に満ち引きはなくなっているのです。
と言いたいところですが、おそらく、天文学に詳しい人はもう気づいているでしょう。
太陽の残り寿命は約50億年と考えられています。そのとき太陽は火星軌道まで膨らんだ赤色巨星となり、地球は飲み込まれてしまうのです。
つまり500億年後の地球というものは存在しません。
長々と説明してきましたが、月が地球からいなくなるとか、地球から潮の満ち引きがなくなるとかいう以前に、太陽のほうが先に死んで太陽系が終わってしまうのです。
言い換えれば、月と地球は死ぬまで一緒ということになるでしょう。
–地球の自転に引っ張られた月は、一定の速度で地球の周りを公転し続けるために、軌道を広げる方を選択しました。—
此の書き方は月に意思があるようになっていますので修正した方が良いと思う。
月はどういう理由で何故こっちを選択したのですか? という意味不明な質問が飛んできてもおかしくない書き方でおかしいです。
物理の話をしているのにいきなり意思があるかのような書き方は、どうかと思います。