家庭内の問題は仕事にも影響するのか?「家族からの無視」に着目
現代社会において、仕事と家庭はもはや切り離せない関係にあります。
しかし、職場内のストレスについては多くの研究が進んでいる一方で、家庭内のストレスが仕事にどのように影響するかについては、あまり注目されてきませんでした。
特に「Family Ostracism(家庭内の排斥)」という現象、たとえば、「家族の会話に入れてもらえない」「意思決定から排除される」「困難なときにサポートされない」といったことが、リーダーとしての行動や職場のチームにどのような影響を与えるかについては、ほとんど研究がなかったのです。

この研究の目的は、まさにその空白を埋めることにありました。
研究チームは、「家庭内で無視されたり排除されたりしたリーダーは、職場でも疎外感を感じやすく、積極的なリーダーシップを発揮しにくくなるのではないか?」という仮説を立てました。
そしてそれが、部下たちのモチベーションや顧客サービスの質にまで波及しているのではないか、という点まで踏み込んでいます。
チームは、パキスタンとモロッコの4つ星・5つ星ホテルで働くマネージャーとその部下たちを対象に、実験とフィールド調査を組み合わせた2つの研究を実施。
これにより、家庭内の人間関係がどのように職場のリーダーやチーム全体に影響を与えるのかを、多角的に検証しました。
では、どのような結果になったでしょうか。