性格の暗黒特性とは何か?

心理学の世界には、人間の「負の側面」を捉えるための概念があります。
それが「暗黒パーソナリティ特性」です。
たとえば、冷酷さを特徴とするサイコパシー、人を操ろうとするマキャベリズム、自分本位なナルシシズム、他人を傷つけて楽しむサディズムなどがこれに含まれます。
一見バラバラに見えるこれらの性格特性には、共通する根っこがあると考えられています。
それが「暗黒因子(Dark Factor of Personality)」と呼ばれるものです。
これは「自分の利益を最優先にし、他人を犠牲にしても構わない」という心の傾向を指します。
さらに、このような行動を正当化する信念─「人はみんな自分勝手だから仕方ない」「弱い方が悪い」─を伴うことも特徴です。
つまり暗黒因子は、人間の「身勝手さの核心」といえるものです。
実際にこのスコアが高い人ほど、不正や搾取、嘘や報復といった行動をとりやすいことが研究で示されています。
では、この暗黒因子はどのように育まれるのでしょうか?
遺伝要因の影響はもちろんありますが、今回の研究は「社会環境」が大きな役割を果たしていることを突き止めました。