「過去の会話」を何度も思い返してしまうのはなぜ?
会話を終えたあと、「あの言い方はまずかったのではないか」「相手はどう思っただろう」と考え続けてしまうことは、よくあることかもしれません。
これは単なる癖ではなく、脳が社会的な出来事を処理しようとする際に起こりやすい反応です。
特に、少しでも気まずさや曖昧さが残る会話では、その傾向が強まります。
では、なぜ脳は終わった会話を手放さず、何度も再生してしまうのでしょうか。
まず1つ目の理由として挙げられるのが、人間の脳がネガティブな出来事を強く重視する性質です。
心理学では、楽しかった出来事よりも、不快感や違和感を覚えた体験のほうが強く記憶されやすいことが知られており、これをネガティビティ・バイアスと呼びます。
会話の中で感じた恥ずかしさや些細な気まずさは、本来なら笑い飛ばして忘れるべきですが、ネガティビティ・バイアスによってそのことに執着してしまうのです。
2つ目の理由は、社交不安障害(SAD)が会話の最中ではなく、会話のあとに現れることが多い点です。
社交不安障害というと、人前で極度に緊張したり、話せなくなったりする状態を思い浮かべがちです。
しかし実際には、会話後に自分の発言を細かく検証し続けるという、静かな形で表れる場合も少なくありません。
2024年のメタ分析では、社交不安障害の傾向が強い人ほど、会話後にやり取りを反芻する強さが高いことが示されています。
特に、「否定的に評価されたのではないか」という恐れが、反芻を強める要因になると考えられています。
この点で重要なのは、自分では社交的だと感じている人であっても、他者の評価に敏感であれば、同じような反芻が起こり得るということです。
次項で続く3つの理由も見てみましょう。
























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