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※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
biology

新種の巨大ウイルス「ウシクウイルス」を茨城県から発見

2026.01.08 12:00:08 Thursday

湖や沼と聞くと、私たちは魚や水草、あるいは水鳥の姿を思い浮かべます。

しかし実は、その静かな水面の下には、生命の進化の歴史を塗り替えるかもしれない存在が潜んでいるのです。

このほど、東京理科大学らの研究で、茨城県の牛久沼から新種の巨大ウイルス「ウシクウイルス」が発見されました。

このウイルスは、宿主となるアメーバを異常に肥大化させ、さらに真核生物の進化の起源に関わる可能性まで秘めた、極めて特異な存在であると見られます。

研究の詳細は2025年11月24日付で科学雑誌『Journal of Virology』に掲載されました。

新種の巨大ウイルス「ウシクウイルス」を茨城県牛久沼から発見 ~ユニークなカプシド構造をもち、宿主細胞を肥大化させる新ウイルス、 真核生物の進化の謎を解く鍵に~ https://www.excells.orion.ac.jp/news/13309
A newly isolated giant virus, ushikuvirus, is closely related to clandestinovirus and shows a unique capsid surface structure and host cell interactions https://journals.asm.org/doi/full/10.1128/jvi.01206-25

牛久沼で見つかった「異様な巨大ウイルス」

今回発見されたウシクウイルスは、巨大ウイルスと呼ばれる一群に属します。

巨大ウイルスとは、通常のウイルスとは異なり、光学顕微鏡でも観察できるほど大きな粒子と、非常に長いゲノムをもつウイルスの総称です。

研究チームは牛久沼の環境試料を調べる中で、アメーバの一種であるヴェルムアメーバに感染する未知のウイルスを分離しました。

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ヴェルムアメーバ細胞内で増殖したウシクウイルス/ Credit: 生命創成探究センター(2026)

ゲノム解析の結果、このウイルスは少なくとも約65万塩基対、784個もの遺伝子をもつことが判明しました。

これは、これまで知られていた同系統の巨大ウイルスと同等、あるいはそれ以上の規模です。

さらに注目すべき点は、その遺伝子の半数以上が、既存のデータベースに類似配列をもたない「オーファン遺伝子」だったことです。

つまり、ウシクウイルスは、これまで人類がほとんど触れたことのない遺伝情報を大量に抱えた、未知性の高い存在だったのです。

系統解析からは、このウイルスがメドゥーサウイルスなどを含む「マモノウイルス科」に属しつつも、異なる進化の道を歩んできたことも明らかになりました。

次ページ宿主を肥大化させ、細胞核の謎に迫る

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