脳に刺したLEDで「友情」を遠隔操作する装置が開発!
近年の急速な脳科学の進歩により、恐怖や痛み、快楽や安らぎといったさまざまな感情を定義する神経パターン(コード)が明らかになっています。
さらに外部からのコード入力によって被検体に対し、任意の感情(恐怖や快楽)を強制できるんです。
しかしこれまでの研究において、脳へのコード入力は、複数の電線や電極を必要とするものであり、被検体の自然な動きを妨げる要因になっていました。
特に社会的関連性(なかよし度)のような複数個体の頻繁な身体接触のかかわる現象を研究するには、動きを制限しない方法が必要です。
そこで今回、ノースウェスタン大学の研究者たちは、ワイヤレスな制御と充電が可能な小型軽量の入力装置を開発しました。
またこの入力装置は脳への接触部分に、負担が大きい金属製の電極ではなく、小型のLEDが用いられました。
実験に用いられるマウスたちの脳の遺伝子は、光に反応して活性化するように書き換えられており、光を照射するだけで電気刺激をしたときのような反応を引き起こすことが可能です。
装置が完成すると、研究者たちはLEDをマウスの社会性をつかさどる脳の4カ所に刺し込み、光刺激を開始しました。
すると、非常に興味深い事実が判明します。
前頭前野において光刺激を同期させた場合とさせない場合で、マウスの社会的関係性に大きな違いがうまれたのです。