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2024.02.08 Thu 「人はなぜ反ワクになるのか?」東大がワクチン反対派の特徴をTwitterから分析した結果
予防接種は、感染症から私たちを守り、死亡を防ぐ医学の偉大な発明のひとつです。
一方で、ワクチン接種に反対する意見も、根強く存在してきました。
これらの反対意見は、かつてはマイナーな存在でしたが、コロナ禍を通じてSNSなどの発信力を背景にその存在感を増しています。
医学界や科学界では、このような反ワクチン的態度は集団免疫の実現を妨げる脅威と捉えられています。
そのため、これまでワクチン反対的態度については研究されていましたが、「なぜ人々がワクチン反対に傾くのか?」についての理解はまだよくわかっていませんでした。
そこで東京大学大学院の鳥海教授らの研究グループは、コロナ禍におけるワクチンに関するツイートを機械学習で分析し、「新たにワクチン反対派に傾いた人の特徴」を探りました。
研究で明らかになったのは、以前からワクチンに反対していた人々と、コロナ禍をきっかけにワクチン反対に傾いた人々では、嗜好や関心事が大きく異なるということです。
新たなワクチン反対派は、陰謀論やスピリチュアリティなどへの関心が強く、これをきっかけとしてワクチン反対的態度を形成したことがわかりました。
研究の詳細は、2024年2月5日付の『Journal of Computational Social Science』誌に掲載されています。