がん診断で「break bad(道を踏み外す)」は現実に起きるのか?
実は、経済学には「犯罪の経済学(Economics of Crime)」という研究分野が存在します。
この学問では、「犯罪者は私たちと同じように、損得勘定で動く合理的な人間である」という仮定を出発点として、人がなぜ法を犯すのか、そのメカニズムについて考えます。
たとえば、急いでいる時に「速度違反で捕まるリスク」と「遅刻を回避するメリット」を天秤にかけた場合、一般的には「罰金のリスクは低い」と判断する人が多いでしょう。そうなると、ルールを破る人が多くなるはずです。
このように、人は「得られる利益」と「捕まるコスト」を無意識に計算し、割に合うと判断した時に一線を越える可能性があります。これはノーベル経済学賞受賞者ゲーリー・ベッカーらが提唱した理論で「合理的選択理論」と呼ばれます。
この理論の特徴は、犯罪を性格や道徳の問題だけで説明しようとしない点にあります。
そして、人気を博した海外ドラマ『ブレイキング・バッド』も、道徳観の強い真面目な主人公が、がん診断をきっかけに人生の歯車を狂わせ、違法行為へ踏み出す物語が描かれています。
合理的選択理論に当てはめて考えると、このドラマのような状況も、フィクションの世界だけでなく十分に現実で起こり得る問題の可能性があります。
ただ、これを検証した研究というのはこれまで特にありませんでした。
そこで研究チームは、これが現実でも起こり得る問題なのかどうかを、デンマークの行政データを用いて調査することにしました。
彼らは、ある年にがんと診断された人々と、同じ年齢で同じような背景を持ちながら、少し先の未来でがんと診断されることになる人々を比較しました。
これをスタガードDID(Staggered DiD)と呼びます。簡単に言えば「診断されるタイミングの偶然のズレ」を利用して、病気がその人に与えた影響だけを抽出するというのがこの方法です。
分析の結果、多くの人はがん診断直後の時期は、治療や入院の影響もあり、犯罪率が一時的に低下する傾向がありました。
しかし、診断から数年が経過した時期に、犯罪に関与する確率(研究では有罪判決を受けることを犯罪と定義)は診断前の水準と比べて平均で14%も上昇していたのです。(年あたりの有罪判決率0.69% が 0.79%に上昇)
この数字は「がん診断を受けた多くの人が犯罪者になる」というほど大きいものではありません。しかし、「がん診断という出来事の後に、一定の期間を空けて犯罪行動の確率をわずかでも押し上げた」ことは事実です。
さらに注目すべきは、これが過去に犯罪歴がある人々の再犯に限った話ではないという点でした。
これまで一度も警察の厄介になったことがない人々が、診断を機に初めて法を犯す確率(初犯率)も、同程度(相対的に約14%)増える傾向が確認されました。
しかし、なぜ「診断直後」ではなく、少し時間がたってから増える形になるのでしょうか?






























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