深呼吸一つで脳が覚醒する――最新研究が示す呼吸術の科学 - ナゾロジー

深呼吸一つで脳が覚醒する――最新研究が示す呼吸術の科学
深呼吸一つで脳が覚醒する――最新研究が示す呼吸術の科学 図1は、呼吸というシンプルな身体リズムがどのようにして脳の隅々まで波及していくかを“ズームアウト”するかたちで示したものです。まず最もミクロな視点では、吸った瞬間に鼻粘膜が機械的に刺激され、その信号が嗅球に届くと個々のニューロンの膜電位がわずかに脱分極し、スパイク(神経の「発火」)が起こりやすくなります。これが細胞レベルの揺らぎです。次に数百〜数千個のニューロンが集まる局所回路のレベルに目を移すと、それぞれの細胞が呼吸のタイミングで同時に発火しやすくなるため、デルタやガンマといった脳波の振幅や位相が吸気・呼気で揺れ動きます。さらに解像度を落として脳全体のネットワークを俯瞰すると、離れた領域同士の活動の「山」と「谷」が呼吸ごとに揃い、海馬と前頭前野、扁桃体などが同じリズムで“会話”を交わしている様子がわかります。/Credit:Nature Reviews Neuroscience

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