大腸まで分解されない人工甘味料が問題となっている - ナゾロジー

大腸まで分解されない人工甘味料が問題となっている
大腸まで分解されない人工甘味料が問題となっている 人工甘味料としてよく使われるソルビトールは、低カロリーで体に優しいイメージがありますが、実は腸の中で意外な問題を引き起こすことが明らかになりました。 マウスを使った実験でソルビトールを摂取すると、腸の中に住んでいる特定の腸内細菌(特にプレボテラ科細菌)が急激に増えます。この細菌が増えると、腸内で「トリプタミン」という物質の生産が活発になります。 ここからが問題の始まりです。増えたトリプタミンは、腸の中にいる免疫細胞(マクロファージ)に働きかけて、炎症を起こしやすいタイプ(M1型)に変えてしまいます。M1型のマクロファージは本来、体を守るために働く細胞ですが、時に暴走して強い炎症反応を引き起こします。 さらに、このM1型マクロファージは強力な炎症物質である「IL-1β(インターロイキン1ベータ)」という物質を大量に放出します。IL-1βが大量に作られることで、大腸内の炎症が悪化してしまうというわけです。 つまり、ソルビトールを摂取すると: 1. 腸内のプレボテラ科などの特定細菌が増える 2. その細菌がトリプタミンを大量に作る 3. トリプタミンが免疫細胞(M1マクロファージ)を炎症型に変える 4. 炎症型になったマクロファージがIL-1βを多く産生し、腸の炎症が激しくなる という炎症の「悪循環」が生まれてしまうのです。/Credit:人工甘味料が腸炎を悪化させる仕組みを解明-腸内細菌と免疫細胞が連動する新たな炎症経路を特定-

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