300年前の隕石に含まれていた鉱物は熱の流れの法則に反する - ナゾロジー

300年前の隕石に含まれていた鉱物は熱の流れの法則に反する
300年前の隕石に含まれていた鉱物は熱の流れの法則に反する 論文のFig.2は、「隕石由来のMCトリディマイト」という鉱物の熱伝導率が、どの温度でどのように変化するかを、他のシリカの形(多形)と比較して示した図です。縦軸は熱伝導率(W/m・K)、横軸は温度(K)です。グラフには、α-クォーツ(規則正しい結晶)、AVトリディマイト(結晶的だが少し乱れあり)、ガラス状シリカ(完全に乱れた構造)などのデータも描かれており、それぞれ異なる温度依存性を見せています。たとえばα-クォーツでは温度が上がると熱伝導率は大きく下がり、逆にガラス状シリカでは温度とともに少しずつ上がっていきます。 一方、MCトリディマイトの曲線(赤線)は、80〜380Kという広い範囲でほとんど横ばいになっています。これは、温度が上がると「粒のような運び方(結晶的伝導)」が減る一方で、「波のような運び方(ガラス的伝導)」が増え、その増減がちょうど釣り合っているためです。赤い帯は熱伝導率の向きによるばらつき(異方性の最小値〜最大値)を表していて、どの方向を見ても温度依存がほとんどないことがわかります。 さらに380K付近では、MCトリディマイトが「TOGA相」という別の構造に相転移します。TOGA相は結晶的な結合パターン(トポロジー)を保ちつつ、結合角がガラス的にゆらぐ構造で、この状態でもガラスに似た温度依存性を示します。Credit:Temperature-invariant crystal–glass heat conduction: From meteorites to refractories

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