魅力の本質は機敏な生理的同期にある
なぜ鼓動や手汗の増減の同期が、魅力を高める主因になったのか?
その答えを研究者たちは、人間関係の構築そのものが、無意識や本能、自律神経の土台の上に成り立っているからだ、と考えました。
つまり魅力的な相手だから鼓動や手汗の同期が起こるのではなく、生理的同期をする能力そのものが魅力の本質だと言う考えです。
最新の生理学では、人間は他人の笑顔、赤面、瞳孔の拡大を知覚すると、他人と感情を同期させる自動調節機能を持っていることが判ってきました。
そのため研究者たちは、相手の生理学的反応を機敏に察知するような自動調節機能が高い人間の場合、自分の反応を相手の生理的反応に同期させることが可能であり、同期は心地よさやリズム感、感情の一致となって、最終的に「魅力」をうみだしていると結論しました。
表情や笑い声、身振り手振りといった運動模倣が個人間の好意や親密さを高めるのは事実ですが、初対面では人間は地を出さずに猫かぶりの状態を維持するほうを優先するため、肝心の感情の一致が最初から望めず、運動模倣の効果はごくわずかです。
また地位や学歴、年収といった紙面に現れるスペックは、無意識のカップリング結果を脳に納得させる要素であり、生理的な同期能力とは最も遠い要素です。
婚活市場では非常に重要なはずのスペックが、初対面時にアピールされるとウザイと感じてしまうのは、本能レベルで勘違いしているからかもしれません。
同様に判で押したような量産型美少女キャラから地雷臭がただよってくるのは、相手との生理的、感情的同期を否定あるいは不全を起こしている可能性が高いからでしょう。