鼓動と手汗のにじむタイミングの同期が第一印象を魅力的にすると判明!
魅力の正体は古くから謎でした。
原因は個人が感じる主観的な魅力と客観的な美の不一致です。
高レベルの美男美女が魅力的であるとされるのは確かですが、美しさのレベルと個人が感じる魅力は必ずしも一致しません。
そして観賞ではなく自分が実際に付き合う相手となると、人間はしばしば美しさよりも他の魅力を重視します。
美は遺伝子の健康さを示すバロメーターであり、重視される要素でありながら、決め手にはなりません。
そこで今回、ライデン大学の研究者たちは魅力の正体を確かめる、無謀かつ歴史的な試みに挑戦しました。
研究はまず、140人の男女を無作為に組み合わせて「初対面でデート」をさせることからはじまりました。
参加者の全員はデートをしている間、心拍数や手汗の量など生理的なデータが測定され、視線追跡機能のあるメガネの装着が求められました。
デートの時間は合計で4分間。そのうち前半の2分は会話が許されましたが、後半2分は会話ナシの、顔の表情やジェスチャーによる非言語的接触に限られました。
そしてデートが終わると参加者は相手の魅力を10段階で評価するよう求められ、最後にもう一度、デートしたいかどうかを尋ねられました。
結果、鼓動の増減と手汗の増減といった生理学的反応が同期した相手に対して、人間は最も魅力的だと判断すると判明。
さらに双方が2回目のデートを望む率は、鼓動と手汗の同期がみられた男女では17%となり、同期しなかった男女に比べて圧倒的に高いことも判明します。
つまり、はじめての出会いから2回目のデートにつながるかどうかは「魅力の高さと連動した生理的カップリング」の影響下にあることが示されました。
恋愛を試みた人ならば誰もがつまづく2回目のデート。
これまでの「デート学(人文学)」においては、表情や視線、ジェスチャー、服装を同期させることが魅力を高めると言われていましたが、初対面でのデートは、これらの同期は重要ではありませんでした。
問題は、その理由です。
なぜ鼓動や手汗といった生理的な現象の同期が魅力の高さと連動し、2回目のデートの成立を促したのでしょうか?