培養皿で育つ人間の融合脳が胎児の段階に到達 - ナゾロジー

培養皿で育つ人間の融合脳が胎児の段階に到達
培養皿で育つ人間の融合脳が胎児の段階に到達 これは研究チームがどのようにして複数の脳領域オルガノイドを生成し、これらを統合して多系統脳オルガノイド(MRBO)を作製したか、そのプロセスと分子レベルでの特徴付けを包括的に示す重要な図です。(a) は基本原理とプロセスの模式図です。(a) では、iPS細胞(誘導多能性幹細胞)を出発点として、どのように大脳、血管内皮(エンドセリウム)、そして中・後脳オルガノイドが個別に生成され、最終的に融合されるかが示されています。各オルガノイドは、特定の分化経路を誘導するためのシグナル分子(例えば、ダブルSMAD阻害やFGF、レチノイン酸など)を用いて作られ、後に適切な条件下で融合されることで、ひとつの統合体としてのMRBOが形成されます。ここでは、オルガノイド同士の融合によって各領域の細胞が相互作用し、実際の胎児脳に近い多様な細胞集団が再現されるという狙いが込められています。(b) はプロトコルのタイムラインです。各オルガノイド(大脳、血管内皮、中・後脳)の生成から融合までのスケジュールを時系列で示しています。たとえば、大脳オルガノイドは初期段階でダブルSMAD阻害による神経誘導が行われ、血管内皮オルガノイドはレチノイン酸とbFGFを含む培地で分化が促進されるといった、各オルガノイドの培養条件や時間軸が明確に描かれています。これにより、研究者は各領域がいつ、どのタイミングで融合プロセスに入るのかを正確に把握できます。/Credit:Anannya Kshirsagar et al . bioRxiv (2025)

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