睡眠中の脳は未来の記憶を仕込んでいた:最新研究で判明の画像 4/5 - ナゾロジー

睡眠中の脳は未来の記憶を仕込んでいた:最新研究で判明の画像 4/5
睡眠中の脳は未来の記憶を仕込んでいた:最新研究で判明の画像 4/5 図は、海馬のCA3領域からCA1領域に情報が伝わる神経回路モデルを使って、睡眠中のシナプス調整がどのように未来の記憶担当細胞(エングラム予備集団)を生み出すかを示したものです。図の左側にはCA3神経細胞からCA1神経細胞へ向かう矢印が並び、矢印の太さがシナプスの強さ(情報伝達の効率)を表しています。まず経験Aの段階では、CA3から送られる特定の入力パターンに対してCA1内の一部の細胞が大きく反応し、そのシナプスが太く強化されます。これが「エングラム細胞」の形成過程です。次に睡眠中には、シャープウェーブ・リップル(SWR)波という脳波に伴い、エングラム細胞のシナプスは保護されつつも不要な結合は弱まる一方で、全体のシナプス結合のバランスを保つシナプススケーリングが働きます。その結果、もともと目立たなかった別の細胞群が次の入力パターンに敏感に反応するようになり、これが「エングラム予備細胞集団」として浮上します。最後に経験Bが到来すると、この予備細胞集団のシナプス結合がさらに強化され、正式に経験Bのエングラム細胞へと昇格します。図は、こうした一連のシナプス動態が「過去の記憶の整理」と「未来の記憶の仕込み」をつなぐ仕組みを示しています。/Credit:脳が未来の記憶に備える重要なプロセスを発見— 睡眠は単なる休息ではない —

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